冬がいきなり来ましたね。
風邪にご用心。
作・演出の横田です。
ブログに稽古の写真は少ないですが、唯今「測量」の稽古場は熱く静かに盛り上がっています!

さて、今回お呼びしたゲストの紹介をしてみたいと思います。最初は桑原裕子さん。ご存じの方も多いと思いますので経歴は略しますが(詳しくはこちらをご参照ください)そこかしこで絶賛大活躍中のスーパーウーマンであります。

彼女との出会いはもう15年近く前になります。「転校生」という青山円形劇場プロデュースの作品に彼女が出ていたとき僕はブカン助手みたいなことをしていました。その後彼女はKAKUTAを立ち上げ僕は舞台美術を担当することになり、まあなんだかんだあって今回初めて演出と役者という関係での仕事をすることになりました。念願叶ったりなのであります。

追記:今、桑原さんが出演しているMCRすごく面白かったです。なんていうのだろあのストイックさ加減。不意にラジオから流れる曲の音源が無性に欲しくなるみたいな気分。久しぶりに味わいました。観に行くといいですよ!


想いというのは他人には絶対に分からないし譲れないものだったりします。だからこそ大切なんだけど、場合によっては面倒なものでもあるわけでして、、、「測量」は、そんな想いとの距離を測らざるを得ない状況に陥った人々の様子を描いています。

ご存じの方がどれだけいらっしゃるか分かりませんが、実はタテヨコ企画の第三回公演が同じ「測量」というタイトルです。今読み返すと顔が青くなるほどのシロモノですが、当時集まってくれた仲間が台本以上の仕事をしてくれました。もう九年も前の話になるのか、、、しかし今回の「測量」、根っこのところでは繋がっていますが内容的には全くの新作です。

じゃあ違うタイトルにすればいいじゃん!と言われると何も言い返せないわけですが、本当に想いというのは面倒くさくて、とにかく今、僕はこれをやらなくてはいけないと激しく思ってる次第なわけです。言わば過去の自分との雪辱戦とでも言いましょうか。誰がなんと言おうと今回のタイトルは「測量」なんです。

順次、ゲストや作品についてこのブログに書いていこうと思います。芝居共々ご期待下さい。

横田修 拝

写真は、闇の中を蛇のようにうねる稲光を捉えたものです。見えるかな?





ワークショップ。始まりました。
誰かも書いていますが、劇団でのワークショップは2年ぶりです。
昔やったWSの参加者から勧められて来てくれた人が結構居る。
とてもありがたいけど、随分違くなると思われます。

密度の濃い瞬間を求めて。
期間は短いですが、このメンバーでしかできないモノを作ることがこのWSの目標です。






公演が終わって10日近く経ちました。
ずーっとバタバタしていてまだお礼のメールも送れていません。ごめんなさい。

今描いているのはワークショップ用の台本と、高校での授業用のテキストです。

ワークショップ用の台本とは、ずっと昔に書いた「測量」という本を直したものです。さらに膨らまして12月公演の台本になる予定。今あれやこれやと膨らましていますが全然違うものになってきました。もちろん、どこかすごく遠いところで繋がってるわけですが、大体が僕の中でのことなのでお客さんにはどうでもいいことかもしれません。

とにもかくにもワークショップ!どんな出会いがあるのやら。楽しみです。

高校のテキストとは、僕が非常勤講師として行ってる高校の授業で使うもの。しかしあなどるなかれ、人形劇の老舗・結城座さんとリンクするというドキドキものの企画なのです。短いながらも力を入れて描いています。

しばらくタテヨコはありませんが、あつたろうの客演も楽しみだし他の人たちも外で活動しています。是非観に行ってやってください。一回り成長したタテヨコ企画を12月にお披露目できればと思います。


横田修 拝

写真・「ウツセミウツラ」より
撮影・平地みどり


最後のゲスト紹介です。今回、年が自分よりずっと上の俳優さんと芝居をしたいと思いたち出演をお願いしたのですが、自分の父親と同い年だしそんな人と一緒に作品を創るってことが最初は想像もつきませんでした。でも現場に入ってみれば頼れる一俳優でありずるいぐらいにキュートで愛らしく女子にも男子にも人気の素敵なおじさんで、ああ、演劇するって何て楽しいことなのだと改めて気づかせていただきました。本当にありがとうございます。

今回演じていただくのは、いい年して上山一年目の修行僧・牛悟(ぎゅうご)役。演劇の面白さを体現している俳優の力を、とくと味わってください!


結構長い付き合いになるけれど、大きな体躯から発するエネルギーにいつも心を打たれます。愚直なほどの真っ直ぐさとか。発する言葉にうそや偽りを決して混ぜないところとか。いや、もしかしたらそう見えるだけで実際は違うのかもしれない。でも結局それは僕にとってはどちらでもいいことなのです。

今回演じていただくのは、上山して9年目の修行僧・大鑑(タイカン)役。彼の発する真っ直ぐなエネルギーに痺れてください!

最初の出会いは何時だったか覚えてないけど、太田氏(散歩道楽主宰)が彼の入団を嬉しそうに語っていたのを覚えてる。鋭い眼光とは裏腹に誰よりも優しい男。彼の危ういほど繊細な純粋がしなやかに突き進めば、誰にもたどり着けない地平に届きそうな気がするのです。
今回演じていただくのは新人り雲水・天真(テンシン)役。散歩道楽ではあまり見たことのない郷志郎の純粋を、余すところなくお見せしたいと思います。お楽しみに。




十牛図(じゅうぎゅうず)は、禅の悟りにいたる道筋を牛を主題とした十枚の絵で表したもの。写真は廓庵禅師が描いたとされるものの第一図、尋牛(じんぎゅう)。ネットで調べるといっぱい出てきます。

これらの絵を僕が面白いと思うのは、どんな風にでも解釈できるということ。一から十まで一応順番があるけど、別にその通りに見なくてもいいし、それこそ全く逆の順番に見てもなんとなく繋がってる感じがする。解釈なんて人それぞれでいいじゃないかという大らかさに惹かれるのだ。

今回の芝居が、そんな作品になればいいなと思っている。

考えるより、感じる芝居を作りたいのです。

横田修 拝



僕ごときが改めて言うまでもないことですが、椿さんは素敵なのである。前作の紹介記事で「静かな海のような人」と評して以来、彼女の底まで潜ってやると必死でもがいている訳ですがどこまでも底が見えません。でもなぜだか前回以上に稽古が楽しいのです。
今回の椿さんは、郷君演じる新入り雲水・天真(テンシン)が恋する老師のお世話係・藤原百合江を演じます。前作とはひと味もふた味も違う、女優・椿真由美の魅力を存分にお楽しみください!




やっと日差しが柔らかくなってきました。

今回上演する演目「ウツセミウツラ」は、 “修行僧モノ”と呼んでる一連の作品群の最新作です。これらの演目は、修行中の雲水たちがどこかへ出かけていき、そこに住む四囲の人たちとの交流の中で挫折や成長を繰り返すという、いわゆる若者達の成長物語というスタイルを取っています。役者は男も女も頭を剃りあげ作務衣を着込んで演じるのです。

今作も基本的には一緒なのですが、6作目にして舞台を総本山の修行道場『毎々寺』に設定しました。宗派は架空のものだし仏教のプロパガンダや批判が目的では全くないのですが、いい機会だしちゃんとやろうと思い立ち、現役の僧侶の方へのロングインタビューや修行道場への取材を敢行しました。皆さん、修行を始めた最初の数ヶ月はとにかく娑婆とは正反対の生活のために皆目を回すのだそうです。タイトルの「ウツセミウツラ」は現世(空蝉)をうつろに過ごすといった意味あいの造語ですが、ここでは目を回す修行僧たちを指しています。

年齢や娑婆での立場などお構いなし。とにかく先に上山した人が先輩であるという実にシンプルで分かりやすい修行道場の人間関係を縦軸に、「十牛図」に登場する『牛』を横軸に据えて、なんともユーモラスな物語ができました。今を生きる若者たちにとっての「修行」とは一体なんなのか?そんなことをぐるぐる考えながら今、せっせと作品を創っています。

横田修 拝